自分は、カッコよくて素敵な大人になれているのだろうか。UNTITLED BY KIKUNO

20180119_untitled_by_kikuno タイのピピ島はとても小さく、車も通っていない。移動はすべて徒歩。
行動範囲が狭いため、ひとりでふらふら歩いても迷うこともない。
アナログなやりかたもたまにはいい
小さいながらも屋台やレストラン(と呼べるほどしっかりした店ではないのだが)の数は多く、そのなかからお気に入りの店を見つけるのが楽しかった。
ここのクレープがおいしいだとか、こっちのマッサージ店にいる誰々の腕前が凄まじいだとか、それぞれ毎日の情報交換は欠かせない。
この島のことはネットで検索してもなかなか出てこないので、実践あるのみ。
アナログなやりかたもたまにはいい。
集めた情報を頭で整理しながら、明日起きたらなにを食べようか考えながら眠りにつく。普段は絶対に食べないパンケーキも格段に美味しい。
このデッキに私を知る人は誰もいない
ピピ島からプーケットへ向かうフェリーは人にまみれていて、大体は観光客の集団かヨーロッパ系のカップル、アジア系の家族。地元の人はほとんどいない。
それぞれがフェリー内で過ごす約2時間をできるだけ快適にするべく、椅子の取り合いがおこなわれる。
地下の(フェリーのいちばん下の階を「地下」と呼んでいいのかわからないが)フロアに案内され、座ったはいいものの、クーラーが効きすぎていてとても寒いため、みんなと離れひとりデッキに出た。
デッキの端に座り、足を外に投げ出す。隣にはひとり旅なのだろうか、同年代の男の子がイヤホンで音楽を聴きながらうたた寝をしている。
はじめは外の景色を楽しんでいたのだが、天気があまり良くなかったため、やけにセンチメンタルな気分になった。
もちろんWi-Fiなどはないので、あらかじめ携帯にダウンロードしておいたアルバムを聴くことにした。
普段の生活環境にはない場所で、初めての音楽を聴く。
肩がつくくらいの距離に誰かが座る。
それさえ気にならないくらい気持ちがいい。
このデッキに私を知る人は誰もいない。
友だちと海外で年末年始を過ごすなんて、カッコいー大人のすることだと思っていた
頭をクルクルと回転させながら、新しい年への想いを馳せる。
今年もいい年にしたいなぁとか、そんなテキトーなことばっかなんだけど。
友だちと海外で年末年始を過ごすなんて、昔はカッコいー大人のすることだと思っていたけど、それをできてしまっている自分は、あのころ夢見たカッコよくて素敵な大人になれているのだろうか。
中身はハタチくらいで止まっている気がしているけど、きっと、少しずつ、近づいていけているのかなぁ。近づけてるといいけどなぁ。
>>連載「UNTITLED BY KIKUNO」をもっと読む